毎日の食事を見直す。

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Chapter.1の「乳がんを知る。予防する。」の中で、
日本人女性に乳がんが増えた理由のひとつとして「食事の欧米化」があると書きました。
食事を変えるだけで乳がんが予防できると言い切ることはできませんが、そのリスクは下げられるはずです。
毎日の食事を見直し、がんを寄せつけないからだづくりをしませんか。


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下記は米国で研究・発表された「がんの要因」のグラフです。
「食事」と「喫煙」が合わせて60%であることから、食事内容に注意し、
タバコをやめればかなりの確率でがんを予防できることが分かります。
なお、本人が非喫煙者でも、「たばこを吸う人と10年以上、一緒に住んでいた」
「家庭以外で、毎日1時間以上、たばこの煙を吸う機会がある」などの女性(閉経前の女性)は、
乳がん発症リスクが1.5~2.6倍に上昇するという研究結果(国立がん研究センター調べ)もありますので、注意が必要です。
さらに、「運動不足」が5%、「飲酒」が3%で、個人の生活習慣ががんの原因の約70%にもなっています。
それに比べ、「遺伝」はわずか5%程度。いかに生活習慣が重要なのかがお分かりいただけるかと思います。

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[アメリカの報告から学ぶ]
かつてアメリカは日本よりもがん死亡者の増加が深刻化していましたが、
2003年以降は発症率・死亡者数ともに減少し続けています。
ことの発端は、1977年に発表された『マクガバンレポート』にあると言えます。
この報告は、がんだけでなく、当時増加していた心臓病、脳血管疾患、糖尿病、高血圧、肥満などの原因として、
適正を欠いた食生活があると判断しました。
報告からは、高脂肪、高カロリーの動物性たんぱく質に偏った食事や精製加工した糖分を減らし、
精白しない穀類を主食に、季節の野菜、海草や魚介類を中心にした食事をすることが大切だということが分かります。
つまり、がん予防には日本の伝統的な家庭料理が最適なのです。

 

[野菜・果物]
普段口にしている野菜や果物などの植物性食品に、がんを予防する効果のある物質が含まれていることが明らかになっています。
1990年、米国の国立ガン研究所(NCI)が中心となり、
がんに有効な植物性食品をランク別にまとめた「デザイナーズフーズ・プログラム」を発表しました。
これは、野菜・果物のどのような成分ががん予防に効果があるのかを研究し、3段階に分けてピラミッド状にまとめられたもので、
病気になる前にがん抑制効果のあるものを知り、積極的に摂取しようというものです。
冷蔵庫に貼るなどして、毎日の食事づくりにお役立てください。

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[大豆・大豆製品]
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大豆や大豆製品に含まれる成分「イソフラボン」は、体内の女性ホルモン(エストロゲン)の働きなどに影響を与えることから、
女性ホルモンと関係の深い乳がんの予防効果があることが分かってきています。
国立がん研究センターによる研究では、このイソフラボンと発がんのリスクを10年にわたって追跡調査しました。
その結果として、イソフラボンを多く含むみそ汁や大豆製品の摂取が多いほど、乳がんのリスクは低下するという結果が得られました。
また、みそ汁と乳がんの関係については、「1日1杯未満しかみそ汁を飲まない人」に比べて、
「1日3杯以上みそ汁を飲む人」では、乳がんの発生リスクが40%も低下しました。
みそ汁以外にも、大豆製品においても、程度の差はありますが、いずれも乳がん発生リスクの低下がみられました。

 

[バランスのよい食事を]
一方で、大豆イソフラボンのとりすぎはエストロゲンの過剰分泌と似た状況をつくってしまうことから
乳がんの再発リスクを高める可能性も考えられ、乳がん治療中の人は大量摂取を避けた方がよいとされています。
また、みそ汁のとりすぎは塩分のとりすぎにつながり、胃がんや高血圧などの生活習慣病を招くリスクにもなります。
日常の食生活の中で、大豆・大豆製品は、他の食品とともに、バランスよく食べることが大切です。
ちまたでは、がん予防にはこれがいい、あれがいいといった情報で溢れていますが、
どれだけよいものであっても、とりすぎてはなにかしらのリスクがともないますので、
なにかを限定的にとりすぎないことと、様々なものをバランスよく食べることが大切です。

 
 


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和食は2013年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。
「美しさ、季節の表現」「新鮮な食材」などいくつか理由がありますが、中でも「優れた栄養バランス」が評価されたことが大きいようです。
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。
また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しています。
バランスのよい食事をとるのは実はそれほど難しいことではなく、昔から伝わる和食を心がけるとよいでしょう。

今回は、nenneでも活用している「重ね煮」のつくり方をご紹介します。
重ね煮のつくり方はとても簡単で、保存もできとても便利である上に、栄養が凝縮され、様々な和食に活用できる優れものです。
(監修:nenneマネージャー 金光朋子)

[重ね煮のつくり方]
【 材料 】
きのこ(えのき、しめじ、しいたけなど約200g)/玉ねぎ(2個)
人参(1本)/塩(小さじ1/4、小さじ1)

【 つくり方 】
鍋底に塩(小さじ1/4)を均一に振る

適宜切ったきのこ(しいたけは薄切り、えのきは1~2センチ幅、などに切る)を一層づつ均一に重ねる

薄切りにした玉ねぎを均一に重ねる

細切りにした人参を均一に重ねる

塩 (小さじ1) を均一に振り、蒸気がもれないように蓋をする

弱火で40分ほど煮る

 
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◆重ね煮は美味しくて元気になる料理。そして、地球の未来を考えた料理法
重ね煮の基本姿勢は『丸ごといただくこと』。これが、野菜のうまみを引き出し合います。
重ね煮で材料を重ねていくには一定の法則があります。
下からキノコ類、茄子やトマトなどの果菜類、キャベツや青菜などの葉菜類、
サトイモやジャガイモなどのイモ類、大根やニンジンなどの根菜類、そして穀物。
これはマイクロビオティックの基本理念である『陰陽論』に基づいているのですが、陰とは遠心のエネルギーで拡散、膨張の力です。
陰の力で人の場合は身体が緩み、冷えます。やさいの場合は上に向かって伸びるもの、水分を多く含んでいるものが陰です。
陽は求心のエネルギーで収縮の力です。陽の力で人の場合はからだが引き締まり、温まります。
野菜の場合はしたに向かって伸びるもの。水分がなく引き締まったものが陽です。
上に向かって伸びるきのこ葉物を下にして、下に向かって引き締まっている根菜類をを上にして煮ます。
そうすると、ナベの中で陰の野菜は上に向かおうとし、陽の野菜は下に向かおうとします。
そうやって鍋全体が影響し合って自然界のバランスと調和が図れるようになるのです。
味に深みが出て、美味しさをお互いに引き出し合い、それを食べる私たちも自然との調和がはかられるというわけです。
重ね煮を食べると体にエネルギーがみなぎってくるのは私たちの身体が自然と共鳴するからかもしれません。

◆保存できて便利
水を入れずに、素材と塩だけで煮るのが基本です。油も入っていないので、酸化の心配もありません。
野菜の皮をむかないことで生ごみはぐっと減ります。さらに、切り捨てる部分を極力少なくします。
冷蔵保存(5日程度)、冷凍保存(1か月程度)も可能です。

◆「重ね煮」の活用法
・お味噌汁に入れて美味しい出汁に
・ゆでたじゃがいもと混ぜてポテトサラダに
・ハンバーグやコロッケの具材に
・スープの具材に 他
 


 
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